NITRO.blog 院内一の傾奇者

低悪性度非ホジキンリンパ腫と戦う漢二トロの足跡
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覚悟のススメ

9月15日
 入院初日の朝を迎える。今日は採血と病院の説明が主である。料理長が遊
びに来てくれた、彼は中学時代の同期、病室にいるのも暇なのでR.Kさんが勤
める喫茶店へ行く、彼女も中学時代の同期である。入院初日に脱走してしま
った。
 喫茶店で楽しみ病院に戻る。来週まで何の検査もないので家に帰ることに
した。死ぬかもしれん、死ぬかもしれん、死ぬかもしれん・・考えてもしょ
うがない。全てを受け止めるしかない。しかし、どうしても色々考えてしま
う。生きる死ぬは別として、こんな大病にかかってしまい社会的には抹殺さ
れたであろう、仕事や結婚等に超えられそうもない巨大な壁ができたであろ
う。あぁ、どうしても色々考えてしまう。どうしても考えてしまうなら、い
っそのこと考え尽くしてしまえ!あらゆる角度から今の自分の立場を考えて
みる。来たるべき困難を予想してみる・・来るとわかれば不安も無くなる。
 死を覚悟したとき、人は何を思い考えるんだろう。俺が思ったのは<俺は
この世に何を残したのか>ということ。金で買えるモノは無論関係ないし、
会社での成績も関係ない(自分で会社を立ち上げたら別だろうが)目に見え
ない何か<友情>とか・・でもないな。普通に人生送っていたら、友達くら
いいるだろう。俺が一番心に思ったのは家族だ。結婚して子供がいて、奥さ
んが泣く、こんなフィナーレなら素晴らしかっただろうな。愛情という目に
見えないものと目に見える家族たち。これこそが人生で何かをしたっていう
唯一の証なんじゃないか?家族をもてなかったことを残念に思う。

<覚悟はできた>

 さて、覚悟はできたし最悪の結果も念頭におき、今から何をすべきか・・
あった!!至急やらねばならないことがあった。
それは、エロ本関係を処分すること。男なら必ず何かもってるでしょ?
男性諸君、病気にでもなったら同じこと考えるんじゃないか?!調べてみる
と、いやぁ結構な量ある、本もそうだがVHSをどう処分すべきか・・。
ここでは書かないが、非常に苦労したよ。結局、全ての処分に3日を要した。
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可愛い見舞い客

9月17日
 本日お見舞いにてくださったのは、女友達のR.OさんとM.Hさん。
M.Hさんは、頭を非常に使う会社で働いており色々教えてもらった。白血病と
診断されたら、特別な手続きを踏めば医療費を月々1,000円の出費だけで抑
えることができる等、非常に有益な情報だ。
 お見舞いには本を頂いた。シドニィ・シェルダンとダ・ヴィンチ・コード等。
なかなかセンスが宜しいようで、病院生活も楽しめそうだ。
 晩飯は、昔から行きたかった亀O食堂へ行った。晩御飯にはM.Hさんの子供
も一緒だ。すごい俺になついてくれてプチパパの気分だ、お父さんの役をや
りたかったなぁ。
 亀O食堂、この店は基本的には焼肉のような感じで味噌と肉、キャベツを
一緒に鉄板で炒める。その後、残り汁で焼きうどんをする。この焼きうどん
がこの店の一番人気だ。また元気になったら訪れたいな。
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BBQ

9月18日
 病気のくせにBBQへ行く。正直疲れてるんだが何かしてないと心が萎え
てくる。BBQのメンバーは主に中学の同期だ。BBQの行き先までハーレ
ーで行く、後ろにR.Kさんを乗せて。
R.Kさんのオッパイが背中にあたる・・ムフフ。本来なら、このBBQで新しい相手を探す予定だったのだが、こんな大病を患ってしまって・・そんな気
分には到底なれない。でも、いっぱいはしゃいで楽しかったよ。

<自分の砂時計が見え始めた俺には一日一日が大切な時間>
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カルテをコソッと覗いてみる

9月19日
 今日の採血数値は22,200、依然数値は高い。自分のカルテがあったのでコ
ソッと覗いてみた。見なきゃよかった・・病名の欄は以下の通り
EBウィルス肝炎
サイトメガロウィルス感染症
重症貧血症
自己免疫性溶血
慢性リンパ性L
播種性血管内凝固症候群
Mリンパ腫の疑い
多発性骨髄腫の疑い
こんだけ書かれると病気の総合商社ですわ。

 後日、聞いた話では、ここに書いた病気のどれかに該当するであろうと。
つまり、可能性のある病気を網羅してあるみたいだ。

 今日は突然Oさんが見舞いにきてくれた。Oさんから俺は結構気に入られ
てたみたいで、病気を聞いて飛んで来てくれたようだ。体に良い食べ物など
アドバイスを受けた。Oさんは、知り合いから俺の病気の情報を聞いて回っ
ていたようだった。Oさんの心使いに感謝した。喫茶店にも連れてってもらって・・コーヒーうめぇ。

 Oさんが帰った後、R.Kさんが遊びに来てくれた。喫茶店のコーヒーをその
ままに持ってきてくれた。彼女は喫茶店に勤めているのだ、本物は美味い。
R.K
 病室で色々楽しい時間を過ごしていたら看護婦さんがきた。
看護:「明日、検査のために股のリンパ腺を採る手術をします。今から毛を
    剃りますね」
{え?!今から?・・女友達おるのに?}
R.K :「私外へ出てたほうがいいですか?」
看護:「別に、どちらでも構いませんよ」
R.K :「ならいます」
{はぁ?マジで?それジョークなら最上級だけど}
看護:「はーい、パンツ脱いで下さい」
俺はアソコを隠す為、巧みにタオルを操った。大事な毛を全部は剃られなか
ったが、両股付け根に剃り込みをいれられた。剃り込み跡は、歩くと擦れて
意外と痛かった。
 腹が減ったので外食へ行く。もちろん脱走ですw途中T.K氏も見舞いに来てくれたので、3人で食事に行った。皆のおかげで、今日も一日楽しく過ごせ
た。
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検査の中間報告とプチ手術(股のリンパ線採取)

9月20日
 今日は医者から検査の中間報告を受ける。希望を胸に、とりあえず聞いて
みることにした。
ニト:「全く病気じゃ無いということはありえますか?」
医者:「90%〜95%の確率でアウトです。」
うーん、正直だ。
医者:「まだ確定ではないですが、低悪性度非ホジキンリンパ腫の可能性が
    高いです。ステージは恐らく第4期。この病気は完治は難しいです。
    寛解といってリンパ腫が悪さしないように押さえつけた状態にもっ
    ていくことが理想です。
     治療方法は放射線治療と投薬治療で、最初の段階は抗がん剤を用
    い、次にリッキサンを投与します。リッキサンはネズミから作った
    たんぱく質で特定の細胞を攻撃します。この方法は最近用いられる
    ようになったのでデータはまだ出ませんが、かなりの効果が期待さ
    れております。
     もう一つの方法として骨髄移植もあります、この場合、完治はし
    ますが、拒絶反応があると命にかかわりますので今の段階では行い
    ません。寛解の後、再発した時に検討します。」
えー、骨髄移植?TVのドラマのような展開だなぁ。
医者:「来週中には病名を特定できます、検査を終了させて総合して吟味し
    ます」

 検査入院の段取りを説明しよう。
採血→骨髄採取→レントゲン→CT→リンパ腺→胃カメラ
一通り終了すると確定診断、つまり病名がきまるわけだ。今日はリンパ腺採
取の段階でいるでちょいと体を切るらしい。プチ手術と聞いていたので気軽
に考えていたが、手術台に上るとそうもいってられない。注射器は何本も並
び、点滴も置いてある。
{どこがプチ手術なんだろうか}
注射器を左股に打たれる、正直痛い。また注射器を左股に打たれる、もぅ痛
いなぁ。麻酔が効いてきてメスが入る。そのあと皮を引っ張って固定する器具をはめるのだが、それが気持ち悪い。麻酔は効いているのだが引っ張られ
る感覚までは無くならない。
 突然、左太もも全体に電撃が走った。
あまりにビックリしたので何をしているのか尋ねてみることにした。
ニト:「今びりびりっと電気が走ったんですが何をしてるんですか?」
医者:「今肉をレーザーで焼いているんだよ」
{焼き加減はウェルダンですか・・}
手術の最中に屁をしたくなった、我慢できない。
ニト:「スカッドミサイルを発射してもよろしいですか?」
医者:「え?何をしたいって?」
ニト:「いえ、屁がでそうなんですけど出していいですか?」
医者:「全然、かまいませんよ」
ならば、お見舞いしてやろう、超弩級の臭さを・・
しばし沈黙がながれる。
執刀医の補助役の人があまりの臭さに笑い出した。
{そりゃそうだ、朝から超臭かったもん}
手術終了までに合計4回発射した。

 手術が終わり病室に戻ると、差し入れのお弁当が置いてあった。
ついに・・ついに来たか料理長(あだ名)。料理長は和食界の雄で、作る料
理は驚くほど美味い。
料理長の弁当
 飯も食べ、暇になったのでブラブラしてたら、看護婦さんに注意された。
「そんなに歩き回ってると中身が出てしまいますよ」直ちに車椅子に跨っ
たのはいうまでもない。
 晩にRさんとK氏が見舞いに来てくれた。
病室ではロクに話もできないので、K氏に車椅子を押してもらい近くのコ
メダ(喫茶店)に行く、腹切ったばかりなのに脱走かよ。
楽しいひとときを過ごしたいのだが、看護婦さんの一言が頭をよぎる。
<中身が出てしまいますよ>
10分おきにジャージーを下着を下げ、股間を覗く。今思うと、他人から見た
俺は変態そのものだっただろう。
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胃カメラ

9月21日
 今日は胃カメラの日だ。これを終わらせれば一通りの検査は終了。昨日の
手術の傷はそれほど痛まず、体調は良好なほうだ。
今回の胃カメラ、実は初体験である。体を切る手術は過去に体験済みなので
まだましなのだが・・胃カメラってどんな痛さを伴うのだろうか。
胃カメラの手順は以下の通り。
飲む麻酔薬→胃の動きを止める注射→胃カメラ挿入
飲む麻酔薬は3段階でおこなう。1回2回は直ぐに飲み込み、3回目は口に含ん
で3分待つ。この飲み薬は大変甘く、後味は辛い。意外と3分が辛い。次は注
射、右肩に打たれる。肩に打たれる注射ってどれも痛いね。
 そして、ついに胃カメラ挿入の瞬間が来た。胸に入るところから痛くな
ってきた。だんだん息もしずらくなる。咳き込んだらやばくなる、超痛い。
医者:「口から息しないで、鼻から息して下さい!!」
言われたように鼻から息をしてみる・・・まずい、鼻水で鼻が詰まってる。
医者:「早く、早く鼻から息をして下さい!!」
{そうしたくても、鼻の穴が鼻くそで塞がれてんの!!}
俺は必死に体全体でジェスチャーを試みる。
ニト:「はがあがのあががで」うまく言葉がでない。
医者:「え?なにがいいたいんですか?」
ニト:「はがのはがががのむーむー」
医者:「はい?鼻の穴がが詰まってるんですか?」
ニト:「ごごごーごふ」
ようやく話が通じた・・・
息苦しいし、何よりカメラの管が入ってる状態で咳き込むから恐ろしく痛い。
医者:「それでは、ゆーっくり深呼吸で息しましょう」
おっ・・・これは楽だ、助かった!!
その後の流れはスムーズに進みはするが、胃カメラの先が臓器の表面をなめ
るので気持ち悪かった。もう二度と胃カメラは飲みたくない。

 昼からR.Kさんが遊びに来てくれた。週末家に戻ったときは見舞い友達も連
れて勤め先へお邪魔して顧客開拓を手伝おう。
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遠方からの見舞客

9月22日
 朝から採血、気になる白血球数値は19,300。ようやく2万は切った。
週末まで採血以外に検査は無く、俺は自宅へ帰ることにした。
 今日は栃木からT.S氏が来る、俺が病気になったので駆けつけてくれたの
だ。彼とは大学時代に知り会い、今でも年一回は会っている間柄。遥々遠方
から来てもらったので、最上級のおもてなしをせねば。
〜本日のコース〜
昼飯 ラディッOュ TVで放映もされた洋食店
晩飯 林O     有名な焼肉店
お茶 秘密     R.Kさんが勤務している喫茶店
最強の布陣で挑んだだけあり、彼も大満足だ。
 昔話に華が咲く。彼は大学時代、空手部に所属しており、確か俺は彼と遊
び組み手をしていて、一撃でKOされたなぁ。忘れもしない・・あの左ハイキ
ック、首にめり込んだぜ。あの瞬間から、あいつは俺のヒーローとなった。
圧倒的な強さに惚れたのさ。
T.S

番外編
 治療が本格的になる前に、ノートPCをGOOD WOLLに買いに行った。
10分で俺の相棒となるPCを決める、今思えばいくらなんでも早すぎw
ついでにAIR EDGEも購入する。ちょうどキャンペーンやってるみたいで、
店員とジャンケンをして勝ったら1,000円割引になるそうだ。
入院でお金も相当かかるのから、何でも安いにこしたことはない。
俺は必勝の策略をめぐらした。
ニト:「俺さ今病気で入院してるねん、なんかええことないかなぁ」
ちらりと右腕を差し出す、採血の後のテープが真実を物語る。
ニト:「俺は必ずパー出すから、後は任せるわ」
店員:「・・・」
じゃんけんポン!!
彼女はグーを出してくれた。ありがとう!!このご恩は忘れんよ。
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断髪式

9月23日
 ついに頭を丸めることにした。抗がん剤を打つと髪の毛が抜けるので恥ず
かしい。ならいっそのこと坊主でいこうと考えた。風呂に入れなくても濡れ
タオル一本で頭も洗え、痒みに悩まされることもない。スキンヘッドにも魅
力を感じたが、手始めに5厘にした。なかなか似合う。
断髪式前
この写真、狙ったわけではないが、恐ろしく角度が揃っていて笑える。
断髪式後
 昼飯は初Oという有名なうなぎの店に行く。T.Sとの最後の食事だ。この
店はあまりに有名で、本日も京都ナンバーの車をちらほら見かけた。順番待
ちをする為会計のところへ向かうが、途中に人ごみができていた。頑張って
人ごみをかき分けていかないといけないかと思ったら、なぜか人ごみが真っ
二つに分かれる。まるでモーゼの十戎のようだ。
なぜなんだ?・・よくよく考えてみると、俺の容姿は頭は丸刈りでおまけに
サングラスまではめてる。怖い兄ちゃんにしか見えないわなw
 順番待ちは75分、さすに初Oの名前は伊達じゃないってことか。久々に食
べたが・・・美味い!!T.Sも大満足したようだ。元気になったらまた会おう
な。

 夕方からはK.I氏と会う。早めの誕生日プレゼントを貰った。中身は寝巻だ
った。おー、これは入院生活必修アイテムじゃないか。ありがとう、大切に
使わせてもらうよ。
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上司と高校同期

9月24日
 今日は会社の上司が訪ねて来た。色々話はしたが空気が重い。俺が居なく
なって、皆さん仕事回すのも大変だろう。俺も早く復活して皆を助けたいの
だが・・神様、本当にいるのなら、たまにでいいから俺にも暖かい手を差し伸べてくれよ。
 
 午後から高校同期と会う、わざわざ東京から来てくれた人もいる、ありが
たい。他愛もない話をして心もなごむ。また会えることを切に願う。
T.K&K.K
〜番外編〜
昨日頭を5厘にしたのだが、ニット帽を被るのに苦労する。なぜなら、短くな
った髪がニットの網目に入り込み、強烈な摩擦を生むからだ。
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ネットに繋がらない

9月25日
 ノートPCとAIR EDGEを買ったのだが、ネットに繋がらない。プロバイダー
に電話をしたり、購入店へ確認をとる。入院患者がノートPCを片手に院内を
右往左往・・・ありえない光景だ。夕方になり、ようやく原因がわかる。ど
うやら、注文しておいた取り付け部品が足らないらしい。購入店へ電話する
と、早速部品を届けてくれるらしい。
 約一時間経過後、店員現る。えらい恐縮してるようだ。それもそのはず、
購入前の髪はフサフサ、今の頭は5厘です。おまけに届け先が病室だしね。
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